手荒れがおきやすい職業・手荒れがひどくて治りにくい

皮靴・鞄職人の手荒れ

皮革製品を扱う人の手荒れもひどいものです。

 

皮革製品には、靴や鞄、ベルト、家具など
さまざまなものがあります。

 

化学の進歩により、石油から人造皮革も合成される昨今ですが、
天然の皮革が備え持っている独特の風合いや塑性、弾性、
水分の吸収性や拡散性などは、
合成皮革では到底作り出すことができないものです。

 

このように、天然素材ならではの風合いや性質・要素のある天然皮革は、
今でも一流品と呼ばれるものに使われています。

 

そして、天然皮革を求める人は多くいて、
ある程度の年齢になれば身につけるものも「本物」を必要とします。

 

だからといって、本物を扱う皮革製品を扱う職人さんや、
その工場の従業員の方々の手荒れは、
ニーズのために致し方ないということはできませんが、
せめて、職業病として社会的に認知され、
その対策が図られると良いと思います。

 

さて、皮革工芸においてアレルゲンとなる物質は、
クロムとパラフェニレンジアミンです。

 

皮革製品に、このような物質がなぜ関与しているのでしょうか。

 

それは、生皮(原皮)をなめすのに、クロムが使われます。

 

なめす方法には、「クロムなめし」と「植物なめし」がありますが、
一部では、5%のヘキサメタリン酸塩を使った
植物なめしが行われています。
しかし、主流となっているのは、硫酸クロムを使った
クロムなめしです。

 

クロム(Cr)には、
強い粘膜腐蝕作用や酸化作用があり、
皮膚に色々な障害をもたらします。

 

また、皮革染色の工程では、ヘアダイと同じ酸化染料の
パラフェニレンジアミンが使われます。

 

パラフェニレンジアミンは、
美容師の手荒れの原因として知られてきた物質で、
この物質により皮膚が障害されると、
治療はとても困難になります。

 

このような物質が含まれている皮革を加工する仕事をしている
皮靴・鞄職人や、皮革製造工場の従業員の方々は、
常に保護クリームを塗りながら作業することが必要ですが、
クリームを塗っていれば作業がしづらくなり、
なかなかクリームで保護することはできません。

 

ですが、作業終了時には、抗アレルギー作用のあるクリームを塗ったり、
ひどく汚れた手を洗うときには、揮発性の高い溶剤で汚れを落とすことなく、
せっけんで根気良く汚れを落とすなどが必要です。

 

パラフェニレンジアミンによるかぶれはとても恐ろしいものです。

 

小さな皮膚炎に注意し、手に傷をつけないようにすることが必要です。